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テレスコープシステムの義歯は、ご自身の残った歯に内冠、その上から取り外し式の外冠からなる、二重冠構造の義歯です。
テレスコープシステムの義歯には、いくつかの種類があります。
その中で今回はコーヌステレスコープ義歯についてご紹介します。
テレスコープシステム義歯の1つです。
日本においてコーヌステレスコープ義歯は、1980年代より広まり、最もよく知られているテレスコープ義歯と思われます。
テレスコープ義歯=コーヌステレスコープ義歯なんて思われている歯科医師もいるほどです。
コーヌスクローネも同じくコーヌス冠のことを意味します。コーヌスとは、円錐形を意味します。
コーヌステレスコープ義歯の内冠は、円錐型で6度の角度がついてます。
入れ歯の維持力は、内冠、外冠のくさび力になります。
重ねた紙コップを想像してみてください。
紙コップを上に引き上げると、くっついて離れない抵抗を感じます。
その力を利用して入れ歯がお口に留まります。
内冠が円錐型になっていることで、外冠である入れ歯を、何ら力を加えることなく装着でき、装着の最後に、内冠が外冠に接触し、楔のように入り込み、入れ歯がしっかりと固定されます。
逆に、一度義歯が内冠の接着面から離れると、入れ歯はスポッと外れ、自身の歯には負担をかけません。
ですから、義歯の着脱の際に、保険のバネの着いた入れ歯のように、ご自身の残っている歯を揺らしたり、引き抜く心配もないのです。
また、残りの歯の状態によりコーヌス角を調整することにより、個々の歯の負担を調整することができます。
テレスコープ義歯の歴史はインプラントより遥かに古く、1880年代からドイツで使用されておりました。
それから、100年以上にも及び進化を遂げ、今もなおドイツではさまざまなタイプのテレスコープが使われております。
2013年ドイツ研修の際、大学病医院や一般の技工所で多くのテレスコープ義歯が製作されておりました。
日本では、1980年代、コーヌスクローネの本が翻訳されたことで、多くのコーヌスクローネ義歯が製作されました。
しかし、10年余りで歯科界から消えていきました。
原因は、入れ歯の設計、製作方法、使用金属、適応症等の入れ歯に対する基本的な情報や知識が、テレスコープが生まれたドイツとは全く異なっていたためです。
元日本大学教授の稲葉繁先生は、ドイツ、チュービンゲン大学に客員教授として教鞭をとり、E.ケルバー教授の元で多くのテレスコープシステムにつき一次情報を学びました。
1980年に稲葉繁先生がドイツから帰国すると、多くの一般臨床家の間で、ドイツのテレスコープとは比にならない精度の低いテレスコープが日本で流行しており、様々なトラブルを起こしテレスコープの評判を落としておりました。
その後、私の師である稲葉先生は多くの講義や書籍により正しい情報に基づいた、精密なテレスコープ義歯を教示してくださいました。
1986年に稲葉先生は、「正統派コーヌステレス・クローネ」を出版しました。
正しい情報と知識の元、精密なテレスコープ義歯で患者様に最善を提供したいと言う、稲葉先生の思いが記されております。
この本の裏表紙には、私が稲葉先生から指導したいただいた時の軌跡が残っております。
現在、テレスコープ義歯は、進化を続けております。
ドイツではインプラントを併用したテレスコープ義歯が、多く作られるようになっております。
また、インプラントで、一度トラブルになった場合、これ以上インプラントは。。。と言う場合でも、一度埋めてしまったインプラントを抜去することなくテレスコープの支えに変換し、残りの歯を守ることもできます。
どんな方にコーヌステレスコープ義歯が適応されるのか?
●神経ある歯が、多く残っている方
●残りの歯の数が比較的多く、位置的に条件に見合っている方
すべてのケースで理工学的検討を行います。
義歯の設計は、コーヌステレスコープ義歯の長期的な予後を左右します。
●骨の量が少なく、インプラントが難しい方
●インプラントや、骨移植等の外科処置が難しい方、望まない方
●歯周病の経過が永く、歯だけではなく、歯肉や骨のなくなりが多い方
義歯では歯肉の回復が容易で、しかも着脱式のため、外して、残りの歯が清掃でき清潔に保つことができます。
インプラントは、固定式の為、歯肉をつけるとその部分の清掃が難しく不潔になりがちです。
●神経を抜いた歯が多い方
●以下の位置に歯が残る方
歯列を真ん中で横断する2点に歯が残る方
対角線上の2点に歯が残る方
不適応に当たる方でも、ご心配はいりません。
テレスコープシステムの義歯は、コーヌステレスコープ義歯以外にも種類がございます。
上記の位置に歯がある場合にも対応できるテレスコープ義歯がございますのでご安心くださいませ。
●ご自身の残りの歯を、入れ歯を入れながら守ることができます。
●しっかりと歯を固定するため、保険の入れ歯のように入れ歯が動きまわるような感覚は少なく、しっかりと食べ物が噛めます。
●インプラントのような外科処置を避けられます。
●修理が可能で、一装置を長期間使用することができます。
●夜もはめたままお休みいただけます。
●入れ歯の留め金が歯にかからない為、審美的にも入れ歯だと見えることはありません。
●残っている歯を削る必要があります。
(削る歯の範囲は、義歯の設計により異なります。)
●歯が残っている位置により、適応が難しい場合があります。
●神経が無い歯を利用すると歯が折れてしまうことがあります。
(歯の位置、神経の有無により適応が難し場合、他のシステムのテレスコープ義歯により、ほとんどの症例に対応できますのでご安心ください。)
●オーダーメイドの義歯は、診療時間以外の義歯に携わる歯科医師、歯科技工士の時間を多く要します。そのため、保険適応外の義歯となります。
コーヌステレスコープ義歯が多くの歯科医院で提案されない1つの理由に、技工士さんの知識と技術力が高く、また製作体制が整った技工施設がないと製作できない、という点がございます。
歯科医師と、歯科技工士双方に噛み合わせについての高い知識が要求されます。
福永歯科医院では、Kavo社のプロター咬合器、Gammer社の咬合器、顎運動機能検査を行い、技工士さんとその情報を共有しながら、テレスコープ義歯を製作して行きます。
京王歯研は1976年に創業し、依頼40年近くに渡りテレスコープ製作の先駆者として走り続けてきた歯科技工所さんです。
30年前には、日本の技工所ではほとんど取り扱っていなかった、コバルトクロムによるテレスコープ義歯をいち早く手掛け、また、20年前からはチタン合金によるテレスコープ義歯を、10年前からはインプラントの上部構造製作の開発を進めています。
もちろんテレスコープ義歯の放電加工による技工は、15年前にすでに取り組んでいたというから驚きです。
当時、大学や企業でしか購入が不可能であろう放電加工機器や、テレスコープ製作では必須である横型研磨機も3台きちんと設置されております。
コーヌステレスコープは非常に複雑な技工製作過程を経てでき上がります。
京王歯研さんには、現在、数十人の技工士さんが働いておりますが、その中でも数十年に渡りテレスコープ義歯の製作を学んだ、トップクラスの技術者の方が、テレスコープ製作を担当しております。
彼らは、単純な冠の製作はもとより、入れ歯、噛み合わせ、審美的センス、そしてどんな入れ歯を作るより難しいテレスコープ義歯の複雑な技工過程をマスターしてきた方々です。
そんなトップクラスの技工士さんがどんなに頑張っても、1月に製作できるテレスコープ義歯は、たった2ケース前後です。
それほど、希少価値がある義歯なのです。
コーヌステレスコープ義歯は、その名の通り、円錐型の内冠が外冠である義歯と接触する摩擦力により、義歯の吸着が得られます。
ですから、内冠の外形やの精度や義歯自体の着脱方向が非常に重要になります。
しっかりと、内冠の角度を形づくること、入れ歯全体の着脱方向を正確に見極めるためにも、コナトアと言う雲台に乗せ、内冠製作を進める必要があります。
また、でき上がった内冠の研磨においても、フリーハンドでも研磨は禁忌です。
横型研磨機を使い、内冠に付与されて角度を正確に再現しなければなりません。
今回の記事ではコーヌステレスコープについてご紹介しました。詳細については入れ歯相談を行っておりますのでお気軽にご相談いただければと思います。
埼玉県さいたま市 福永歯科医院 福永